壁面パネル、平置台
空間イメージを変えるため、教室壁面を覆うように施工したパネルと、視点誘導を考慮して設計された、平置台をご紹介します。
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壁面パネル
脚を使用しない施工の特徴
壁面パネルは、教室の柱の間に、水平に支柱を渡らせ、その支柱に設置しています。
この施工方法を選んだ理由は、空間デザインのポイント「息苦しさを感じさせない開放感を持たせる。」という事に起因していて、パネルの天地に空間を設ける必要があったためですが、この施工方法によって、得られる利点は以下のようなものです。
- パネル中心で支えているので、天地に空間を設けることが容易になります。
- パネルに脚を付ける必要がないので、すっきりとした印象を与えます。
- 教室に設けられた段差の影響をうけないので、複数のパネルの高さ調整が容易になります。
この施工で最も効果的だったのは、3番目の利点です。
教室の端から端までに渡るパネルは、複数枚に分かれたものを繋ぎ合わせるのですが、それぞれの高さを統一しないと美観を損ねてしまうため、脚をつける施工方法では、視聴覚室の階段構造に合わせて、各パネルの高さを調整しなくてはなりません。
この施工方法ならば、同じ高さに設置された支柱にパネルを取り付けるだけなので、床の段差の影響をうけず、デザイン的にも洗練されるのです。
木製ボックス型平置台
機能的なデザインと、斜めに整列させたことで得られた、多くの利点
写真を見て頂くと分かりますが、この平置台は、上のタペストリーに仮質問が書かれていて、視点を下に移して台上を見ると、詳しい回答があるというものです。
視点移動を自然と促すようにデザインされた、この木製ボックス型平置台の特徴は以下のようなものです。
- 仮質問の回答を表示する上面に傾斜をつけてあり、読みやすく、自然な視点誘導を促します。
- 2種類のタイプを制作し、ミニチュアなどの展示用には、傾斜のない平らな上面のものを使用しています。
- 高品位な白塗装を施した木製品で、とても美しい仕上がりになっています。
また、平置台の設置を、敢えて正面に向けて整列させず、斜めに傾けて整列させたことで、様々な効果を生み出しています。
斜めに傾けたことによって得られた効果は、以下のようなものです。
- 平置台の角が段状に整列するため、立体感を生み出しています。
- 上部のタペストリーが羽板状に整列するため、開放感が生まれます。
- 傾ける方向を入り口に向けたことで、入室時に伝わるデザイン・イメージが強くなりました。
- 傾け方を、平置台の列単位で交互に替えることで、自然な順路誘導が可能になりました。
- 階段状の床面は、一段の面積がとても限られていましたが、この設置方法を用いることで、通路を広くすることが出来ました。